現在の所有畑は約25haに及び、ポマールを中心にコルトン、ラドワ、ボーヌ、モンテリーへと広がります。畑は主に酸化鉄により赤みを帯びた粘土石灰質の土壌を有し、ピノ・ノワールの品種の特徴と相まってワインに個性をもたらします。収穫が周囲と比べ遅く、果実を十分に完熟させるのもドメーヌの特徴です。オーガニック農法への転換も進め、2013年にはエコセール認証を取得しました。より健全で純粋なテロワールの魅力を引き出すべく、ビオディナミ農法も実践しています。

醸造においては一部のキュヴェを除き基本的に除梗。マセラシオンは地域名キュヴェでも2週間～上級キュヴェは3週間近くと長めで、しっかりと抽出を行います。最近は新樽使用率を減らし、よりエレガントなスタイルへと移行しています。特級キュヴェで100%新樽であったとしても醸造工程の絶妙な調整により、樽香と果実味の美しい調和を一層感じられるようになりました。

先代がトーマス・ジェファーソン氏と繋がりがあったことでホワイトハウスへ納入されたことでも有名なパラン。ピュアで複雑な構造を持ち、エレガントで力強い卓越したクオリティは、17世紀半ばから引き継がれる完璧なワインづくりの精神の賜物です。