イタリア北東部、フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州のコッリ・オリエンタリ・デル・フリウリの心臓部に位置するトッレ・ロザッツァ。古代ローマ時代からのワイン造りの伝統が根付く土地で、歴史の深みと革新の精神が調和し、時代を超えて洗練を重ねたワインを生み出しています。

90haの所有畑はアルプス山脈の南側、海抜100-250mの穏やかな丘陵に広がります。アドリア海沿岸から20kmほどの距離にあり、海風がブドウを優しく撫で、昼夜の寒暖差が果実にみずみずしい酸をもたらします。段々畑のように連なる畝は粘土質と砂岩の土壌で構成され、フリウリ特有のミネラル感を生み出しています。

トッレ・ロザッツァでは土地の特性を最大限に生かすことを使命とし、土着品種と国際品種の両方を栽培しています。手摘み収穫されたブドウは畑の中心にあるワイナリーに直ちに運ばれ、鮮度を損なうことなく醸造プロセスへと移されます。赤ワインは必要に応じて木樽で仕上げられますが、殆どのワインはステンレスタンクで醸造され、ブドウそのものの特徴を最大限に輝かせます。


2014年以来、ワイン造りの指揮を執るのは“魔術師”の異名を持つリッカルド・コタレッラ氏。ガンベロ・ロッソでベスト・ワインメーカー、ワイン・エンスージアストでワインメーカー・オブ・ザ・イヤーの受賞歴も誇る、イタリア屈指の天才醸造家です。国内外50を超える名門ワイナリーを監修し、世界の造り手たちを導いてきました。また、アンティノリの醸造長を務める弟レンツォ氏とともに情熱を注ぐ自社ワイナリー「ファレスコ・ディ・モンテフィアスコーネ」においても、トレ・ビッキエーリを幾度も得ています。彼の研ぎ澄まされた感性と精緻なアプローチはトッレ・ロザッツァのワイン造りにも息づき、フリウリの個性を優雅かつエネルギッシュに表現しています。

代表的なピノ・グリージョは過去にワイン・スペクテーター誌のTOP100ワインにノミネート、ガンベロ・ロッソでもトレ・ビッキエーリを獲得した功績を持ち、その実力を物語っています。グラスを傾けるたびにフリウリの丘を渡る風を感じさせるトッレ・ロザッツァのワインは、日常を特別な瞬間へ変える一杯となります。