シャブリ プルミエ クリュ ル カラクテール デュ ヴェルジェ 2020 アニエス ディディエ ドーヴィサ
豊かさ、躍動感、緊張感が重なる特別なボーロワ
Agnes et Didier Dauvissat Chablis 1er Cru Le Caractere du Verger
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《ワインについて》
セラン川左岸に位置する1級畑ボーロワの中でも、「Le Verger=果樹園」と呼ばれる特別な区画から造られるキュヴェ。ベーヌ湖を望む南西向き斜面に広がる樹齢約38年のブドウを使用しています。
レモンピール、熟したシトラス、白桃、アカシアの花のアロマから、徐々に焼きたてのトースト、キャラメル、モカなどの芳ばしいニュアンスへと表情を変え、その奥には火打石や砕いた石を思わせるミネラルが漂います。アタックは驚くほどしなやかで包み込むような質感。一般的なシャブリの鋭さよりも、果実の厚みと樽熟成由来のなめらかさが調和した豊かなスタイルです。美しい酸が味わいに躍動感を与え、余韻には塩味を帯びたミネラル感が長く残り、シャブリらしい緊張感と気品を感じさせます。
《生産者について》
ヴァンサン・ドーヴィサと遠縁にあたる、アニエス・エ・ディディエ・ドーヴィサ。シャブリの名門ドーヴィサの名を冠しながらも、古くからの相続畑ではなく、1987年にアニエス氏とディディエ氏がベーヌに自ら畑を購入したことから始まります。ゼロから畑とセラーを築いたドメーヌでありながら、ディディエ氏は所縁あるヴァンサン・ドーヴィサのもとで研鑽し、シャブリの本質に深く触れています。
現在は息子のフロラン氏が加わり、所有畑は約10-13haへと拡大。プティ・シャブリ、シャブリ、シャブリ1級ボーロワをはじめ、ブルゴーニュ・ルージュやクレマン・ド・ブルゴーニュも手がけています。ボーロワはベーヌの北東、湖を望む斜面に位置し、日照に恵まれながらも冷涼なテロワールによって果実の成熟がゆっくりと進みます。これにより果実のふくらみとシャブリらしい緊張感が美しく共存します。
栽培はリュット・レゾネを基本とし、土壌を丁寧に耕し、有機肥料を用いています。2018年にはHVE認証を取得し、環境への配慮もより明確に示しています。
醸造は極めてクラシック。ほとんどのキュヴェはステンレスタンクで発酵・熟成され、果実の純度と土壌の輪郭を前面に表現しています。例外的に1級ボーロワの一部には古樽を用い、ワインに少しの厚みと奥行きを与えます。熟成は6-12か月ほど。クリーンで直線的な味わいが特徴です。
ワイン・アドヴォケイトにおいても「クラシックなスタイルのシャブリを生み出す良質な生産者」と称される“もうひとつのドーヴィサ”。名門の影に隠れるのではなく、自ら畑を拓き、シャブリの土地と向き合い続けてきた彼らのワインは、鋭さだけではなく、澄んだ果実と穏やかな均衡を湛えています。
