#熟成ワイン
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《ワインについて》
濃縮感と個性を平均以上に感じられる2003年。ダークプラムやブラックベリーの濃密なアロマに、ミネラル、ドライハーブ、リコリス、甘やかなスパイスのニュアンスが絶妙に調和しています。口に含むと、メルローならではのふくよかな果実味がゆったりと広がり、角の取れたタンニンと穏やかな酸が味わい全体を支えます。若々しい力強さが解け、豊かな果実味と熟成感の美しい均衡を感じられます。
《生産者について》
シャトー・ラ・クロワ・デュ・カスは、ポムロール南端の高台に位置する13haほどの小規模シャトー。ペトリュスやル・パンなど、名門がひしめく中、名声ではなく長年受け継がれてきた土地の力と、それを磨き続ける造り手たちの不断の努力を刻み込んでいます。
1956年にラ・クロワ・デュ・カスを取得したのはオーディ家。後にポムロールを代表するシャトー・クリネの発展にも大きく貢献した一族です。彼らのもとでラ・クロワ・デュ・カスはポムロールの実力派シャトーとして評価を高めました。
その後、2005年にボルドー屈指のネゴシアンであるカステジャ家の手に渡り、さらなる改革を行が行われます。古いコンクリートタンクを温度管理可能なステンレスタンクへ刷新し、畑には新たな排水システムを導入。コンサルタントには名手トマ・デュクロ氏を迎え、区画ごとの個性をより精密に表現するワイン造りへ移行しました。これらの成果は2009年以降のヴィンテージで顕著に現れています。
畑はポムロール台地南端に位置し、砂や砂利、そしてポムロールを象徴する鉄分を多く含むクラス・ド・フェールで構成されています。この土壌はペトリュスやラ・コンセイヤントなど数々の銘醸シャトーに共通する特徴であり、ワインに独特の複雑さを与えます。品質向上に取り組む中で、よりポムロールらしい表現を追求するためカベルネ・ソーヴィニヨンを抜き、現在では約90~93%のメルローと7~10%のカベルネ・フランという構成へと整理されています。
醸造では区画ごとに収穫されたブドウを小型のステンレスタンクで発酵させ、それぞれの個性を引き出します。熟成には新樽を40~50%使用。樽熟成後には再びタンクで静置する期間を設け、樽由来の要素を果実へしっとりと溶け込ませます。近年のポムロールらしく、濃密な果実味を備えながらも過度な重量感に頼らず、シルクのような質感を備えています。
クリネを成功へ導いた一族から、ボルドー最大級のシャトーオーナー一族へ受け継がれた歴史。そしてポムロール特有の土壌が育む官能的なメルロー。小さなシャトーが大きな可能性を見出し、
