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《ワインについて》
みずみずしくしなやかなスタンダード・ピノ・ノワール。ラズベリーやダークチェリー、セージ、甘いタバコの葉の魅力的なアロマに引き込まれます。ソフトでしなやかなタンニンがワイルドベリーやチェリーの愛らしく上品な果実味の層を縁取り、長い余韻には砕いたブラックペッパーとスパイスのヒントを残します。
《生産者について》
DRCやデュジャックなど、ブルゴーニュの名門で研鑽したジョシュ・ジェンセン氏によって設立された、カリフォルニアを代表するエステート、カレラ。モダン・アメリカワインの礎を築いた存在であり、世界レベルの高い評価を受け続けています。ロバート・パーカーからは“カリフォルニアのロマネ・コンティ”と称され、サンフランシスコ・クロニクル紙のワインメーカー・オブ・ザ・イヤー受賞、さらにはワイン・スペクテーター誌の表紙を飾るなど、40年以上にわたり揺るぎない地位を確立してきました。
1975年、ジェンセン氏はセントラル・コーストの人里離れたガヴィラン山脈の風吹きすさぶ高地、マウント・ハーランにカレラ(スペイン語で“石灰窯”)を設立しました。標高約670m、海からの影響を受ける冷涼な気候、そして石灰岩に富んだ土壌。ブルゴーニュに通じるこのテロワールに可能性を見出し、3つの区画を取得しました。
そしてDRCから持ち帰ったとされるピノ・ノワールの苗木を植え、ワイン造りを本格的にスタート。現在ではジェンセン、セレック、リード、ミルズ、ライアン、ド・ヴィリエ、シャロンといった単一畑のピノ・ノワールに加え、シャルドネやヴィオニエ、アリゴテも手がけています。
当初は“この環境でブドウは成熟するのか”という懐疑の声もありました。しかし、低収量と過度な介入を避けたシンプルな醸造によって生まれるワインは、どこまでもピュアでフィネスに満ち、“アメリカはカベルネと樽の効いたシャルドネしか造れない”と揶揄されていた先入観を覆しました。さらにジェンセン氏の功績もあり、マウント・ハーランはその後独自のAVAとして認定。セントラル・コースト全体の評価ごと底上げしました。それぞれの区画が類まれな純粋さ、エレガンス、熟成ポテンシャルを持ち、カレラのワインはまさにこの土地そのものの感覚を映し出しています。
2017年にはダックホーン・ワイン・カンパニーがカレラを買収。その後、2022年にジェンセン氏は惜しくも逝去しました。それでもなお、長年信頼を寄せられてきたマイク・ウォーラー氏率いるチームのもと、“カレラのワインに間違いはない”と讃えられる美しいワインを変わらず造り続けています。
